ポスターにはいつもと変わらない日々と書かれているが、そんなことはない。
命の危機を感じたり、
仕事でトラブルが起こったり、
大切にしているものを失ったり。
乗客も変わるし、バーの客も変わる。
家の内装も、妻の趣味も。
パターソンが今大切にしているものが、
大切じゃなくなる日が来るかもしれない。
それもありだよと教えてくれている映画。
永瀬正敏が持ってた本に「パタースン」と書かれていたゆるさがよかった。
何よりも注目すべきシーンは、
バーの常連客である失恋した男性が1人で話し始めるシーン。
バーテン「(話し方が)俳優みたいだね」
常連客「実は俳優なんだ」
パターソン顔を隠して笑いを堪える
常連客「そりゃおかしいよな、人の失恋話しを聞くのは」
バーテン「いや、おかしいから笑ってるんじゃなく同情してるよ」
こんな感じの会話のシーン。
おそらく常連客の「実は俳優なんだ」はアドリブで、(常連客を演じてるのは実際の俳優だから)パターソンが笑いが堪えなくなったのに(笑うべきシーンじゃない)、それをも自然な流れに変えようとした常連客役の俳優さんのアドリブ力がすごい。