キヘンニカミ

パターソンのキヘンニカミのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.8
パターソン、アメリカのニュージャージー州に位置する都市。

パターソン、という名のパターソン市のバスドライバー。

パターソンは毎朝6:15頃に目覚ましなしで起き、コップにシリアルで朝食をとる。バスの運転手として仕事に向かい定時には妻が待つ家に帰宅する。夜は犬の散歩ついでに必ずバーに立ち寄り一杯のビールを飲む。
この映画は、彼の至って普通の日常が描かれている。

彼にはクリエイティブでアーティスティックな妻がいる。もうひとりの家族は構ってもらえずヤキモチを抱くブルドッグだ。
いつも調子が悪い仕事仲間。行きつけのバーテンダー。別れでいつも揉めている男女。詩作に励む少女。観光しにきた日本人。
彼の日常には色々な人が存在する。ただ至ってそれは普通であり大きな事など何一つ起きない。日常だ。

そんな中、パターソンの創作する日常の詩。その詩と共にジャームッシュの描く詩的な雰囲気。これがこの映画の醍醐味だろう。


まず私達は日常に幸せを感じているだろうか。
休日に買い物をする、旅行に行く、美味しいものを食べる、もちろんこれらのように幸せを感じる事は大切だと思う。ただ何か特別な事をしないと幸せが感じられないと無意識に感じている節があると思う。誰しも

ジャームッシュはそんな私達の日常にも幸せは存在しており、それを感じるかは少し視点を変えるだけで十分だと教えてくれてるような映画だと感じました。
そして観ると不思議と前向きになれる。

これは現代の窮屈な日常に疲労している日本人達にピッタリな映画ではなかろうか、うん