バナンザ

パターソンのバナンザのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.6
ニュージャージー州パターソンに住むバスドライバーの一週間。日々のルーティンの日常から見いだされる静かで小さな非日常に美しさが感じられる作品だった。

作品の中で、同一という概念と固有という概念をとても大事にしていることが感じられた。一週間のルーティンの中で、感情的にはならず、多くを語らない性格のパターソンは映画という芸術作品の中では珍しい性格で、訴えかけない日常を生きる人々との同一性を感じた。パターソンと同居者のローラは対照的に描かれていて、日々新しいことに挑戦し、彼女の芸術作品に個性を感じられる。しかし、ルーティンの中で生きるパターソンの生活も決して退屈で平凡なものではなく、日常の中の小さな非日常が、彼の詩をユニークで魅力的なものにしていた。違くても同じ、同じでも違う万物を表現しているような気がする。

双子、靴、フレーズを復唱する主人公、会話、夢、詩の出てくる場面は繋がりを感じられる共通性を感じさせ、意味のない所に面白さを感じさせる。

Poetry in translation is like taking a shower with raincoat.

「そして幸せに暮らしていきましたのさ、おしまい」の「幸せに暮らした部分」のお話。
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