Polaroid

東からのPolaroidのレビュー・感想・評価

東から(1993年製作の映画)
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正直かなり辛い二時間になったが、それは予想されていたこと。
せっかくなので色々考えながら見ました。

・1993年の映画だから、当時は冷戦が終わったばかり。西側の人々に対してよく知らない東側諸国の風景や生活ぶりを届ける映画ということだったんでしょう。
しかし、自分がこれを見ているのは2023年。空間的な距離だけでなく、時間的な距離もある。
それぞれ一生見ることのない風景だと思って見ていたが、それはいま東欧に生きてる人にとってもそうなんだろうな。めちゃくちゃ変わってるはずだし。
それを言い出すとこの映画に限らず、ほとんどの風景は実際に見ることができないんだな、としみじみと思った。

・言葉が全然わからない。文字も読めないので、それぞれの建物が何の場所なのかよくわからない。
作中唯一わかったのが、誰かが持っていた袋に書いてある「Panasonic」だった。

・やたら人がたくさん集まっているところをカメラが横方向にパンして撮ってる映像が多いけど、なんであんなに人がたくさんいるの?
最初は信号待ちかと思ったけどそうでもなさそうだし。
広場に出てきて何もしないで立っているというのも変だから、みんな何かを待っているのだろうか?

・そうかと思うと、カメラを固定して、人物がまっすぐこちらを見つめているショットも多々あった。
あれは、何も話さないでただカメラを見ててください、と依頼しているのだろうか。

・女の人がサラミみたいなのとパンをカットして食べてるシーンがあったけど、あれが食事なのだろうか?

・出てくる人のほとんどが立派な毛皮や毛糸の帽子を被っている。寒すぎて帽子がないとやってられないのかもしれないけど、その割には耳は出してるんだよな。それはいいの?

・この映画にちらっとでも映ってた人、いまはみんなどうしてるんだろう。
音楽が流れるとついつい踊っちゃう可愛い女の子も、凍った坂道を滑り台のようにして滑り下りていた子供たちも大人になってるだろうし、ご老人たちは……。

・壁紙の色彩感覚がすごいなっていう部屋があって、やっぱり普遍的に心地よいデザインなんてないんだろうなと思った。
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