あるぱか

ジェイソン・ボーンのあるぱかのレビュー・感想・評価

ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)
3.7
ボーンシリーズ最新作、ジェイソン・ボーン。


ポール・グリーングラスとマット・デイモンのタッグが復活した今作。
シリーズファンとしてみたら期待以上とは言えなかったかもしれないです。前三部作を何周もして、頭に叩き込んでしまった故にいろんな期待をしてしまったのは否めないけど、全体としてみたらがっかりというのが率直な感想。
まぁでも所々良かったのと、ボーンシリーズということでこの評価で。


ボーンシリーズは地味だけどそれが逆にリアルな演出になっていて、ボーンの頭のキレの良さと鍛え上げられた殺人術、その場にある身近なものを最大限利用する機転の利いた戦い方が見所だったのに対して、今作はアリシア・ヴィキャンデルという華やかで少し浮いたキャスティングであったり、物語冒頭アテネと終盤ベガスの超ド派手アクションに驚きっぱなしでした。ありがちな今っぽいアクション映画。それが悪いわけじゃないんだけどコレジャナイ感…。先入観強すぎた…。

アリシアの「私なら説得できる」ってその自信はどっから出てくるの…?
あまり惹かれないキャラ設定に少し残念です。綺麗なのに。


今作の一番の見所はやはりベガスのカーチェイスか。今作もグリーングラスの看板手法手持ちが唸ります。もうぶんぶんカメラ振り回してるじゃんって想像したら笑えてきた。けどやたら早いカメラワークとカット割は凄まじかったです。寄りも激しくてこのあたりは素直に感激しました。迫力の出し方は流石。

けど最後の作戦員との決着がなぁ…。
あそこでのカメラワークがどうも苦手で、もっとよく見せて欲しい。どうもカメラワークに頼りすぎて、役者のキレが感じられないから残念です。この場面で寄り過ぎたら何が何やらわからんやろ。マット・デイモンも年かな?って勘ぐってしまいました。生々しい戦闘自体は嫌いじゃないんですけど。


前作アルティメイタムから9年、ボーンは隠遁生活を送っていたのだろうが、記憶が戻った今も苦悩しているだろうことがマット・デイモンの表情や回想、演出によって感じられ、ジェイソン・ボーンを人間味ある人物として復活させるのに成功したように思う。物語の中の人物という枠を越えてリアルにジェイソン・ボーンを感じた。

予告の場面と違う、敵を一撃KOするシーン。予告では前から撮っていたが実際には後ろからの撮影でした。これはボーンの背中の傷を見せるためのファンサービスかな?って感じが出てて良かった。マット・デイモン演じるジェイソン・ボーンは健在だったし。あの冷静沈着な早歩きが彼らしいというか、なんか好き。

映画館とDVDで二回、次見るのはいつになることやら。
あるぱか

あるぱか