アケルマン2作目で少し落ち着いて鑑賞。
東南アジア(あるいは西洋文明から離れたところ)で白人が彷徨う話、好き。
ベトナムでさまよい、アマゾンでさまよい、インドでさまよい、タイでさまよって、だいたい皆さん悲劇的な話になるけれど、オルメイヤー氏も澱んだ河から離れる術を見失ったよう。
最後の長回しで思い出したけど、以前ラッセル・クロウの、確か「プルーフ・オブ・ライフ」で、同じような長回しアップで終わり、ちょっとクロウの顔演技が凄くて引いた覚えがある。
オルメイヤー氏は、くどくなく、監督がちゃんとコントロールしてるのだろう、素晴らしい。
画面の後ろで母親が娘を逃すところの見せ方も、強く印象に残る。
冒頭、swayからのAve verum corpusも意表をつくし、この作品の前に見た「囚われの女」ではラフマニノフに支配されてたけど、今作はトリスタンのひとフレーズだけが何度も繰り返される。決してそのあと解決しない和音が何回も。