冬のナマズ

オルメイヤーの阿房宮の冬のナマズのレビュー・感想・評価

オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)
3.8
ハリウッド映画をつくったのはユダヤ人の男たちであった。故郷を追われ、拠り所を失った同胞たちを慰撫する。これがハリウッド映画のもつ無国籍性といえる。

そして、アケルマンもまたユダヤ人である(かつ同性愛者でもある)。きっと彼女も本作の登場人物たち同様、3つの公用語が混在するベルギーを当て所なく漂泊しつづけたのだろう。海に漂う、あの根無し草たちのごとく、どこに定住することもないままに。
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