１９９３年に公開された黒澤明監督最後の作品。内田百閒の随筆を元に構成されたものだとか。頑固者の老師と彼を慕う生徒たちとの長く暖かな交流を描いた人間ドラマ。
黒澤明監督自身が百聞に自己を投影し作り上げたかのような感謝の念であふれてますね。それゆえに淡き良き昔日の物語よねぇ。もはや人が集まって親睦会を開くなんてことは難しいだろうし、鍋をかこんで直ばしで突き合いながら『仰げば尊し』を歌うなんてこともなくなるだろうしねぇ。
にしても所ジョージさんの演技はぜんぜん小芝居感なく引き込まれた、まぁそれゆえ他の役者さんの役者然としたたたずまいとのギャップがあって微妙な違和感もまぁあったけれど、いやぁほんと素晴らしかった。きっとこの映画をきっかけに役者としてのオファーも多かったろうにその後ぜんぜんやってらっしゃらない？ そういうところも所さんらしいなぁ。
