この世はもう、なんでもかんでも見世物だ。
主人公のみどりと共に暮らす者たちの仕事、みどりの人生、見物客の傲慢さ。そして物語中だけじゃない、漫画の実写化であること、二世俳優が主演を務めること。さらにはわらわらと劇場へ観に行く客やソフトを手に取る客や感想を書き連ねる者。みんなどこかで見世物になっている、みんなどこかで共犯者だ。
これきれいだろ、なんて言いたげな短いカットを繋げただけのような流れも多くて決して凄い作品では無かった。だけど物珍しさに覗き見た世界もやはりれっきとした見世物だったんだろうなあ。煙に巻かれた感じではあるものの。