美しいダンスシーンと本人たちのコメントを交えたドキュメンタリー映画。
タンゴって素敵。
ドキュメンタリーなので、淡々としているけど、80歳のマリアが語るタンゴとフアンへの情熱と愛情に、彼女のアーティストとしての生き様に色々な事を考えさせられる作品でした。
愛情と憎しみって本当に紙一重なんだなぁ、と思いました。アーティストとしてパートナーであることと、男女としてパートナーであることを両立することの難しさ。
マリアが味わった女性としての苦しみは、死ぬほどの苦しみだったと思うけど、それでも生まれ変わったら同じ人生を選ぶというマリアは、本当に生粋のアーティストなんだなぁと感動しました。
対してフアンは同じアーティストではあるけれど、芸術より家庭を選んだ、ある意味、マリアよりはずっと一般人よりな印象。まぁ、フアンが他の女性を選んだことは、仕方がないかなとは思います。
マリアとはケンカばかりで家庭生活はあり得ない、って言ってるしね。
パートナーの解消も、フアンにすれば、家庭との選択を迫られたのだから、ある意味仕方ないといえば仕方ないけど、マリアにとっては人生の全てを賭けていたものなのだから、マリアに与えた苦しみは図りしれないと思ってしまいます。
でも、2人が男女としてずっと円満な関係だったら、もしかしたらタンゴパートナーとしては昇華できなかったのかもしれない、と思うと複雑ですね。。。