半兵衛

温泉あんま芸者の半兵衛のレビュー・感想・評価

温泉あんま芸者(1968年製作の映画)
2.8
橘ますみの処女をめぐる他愛のないポルノだけれど、そんな緩い内容なのに主人公の初めての相手を憧れの相手・吉田輝男ではなく金子信雄にさせる石井輝男監督はやはり性根がねじれているとしか思えない。そのあとに落ち込む主人公に吉田が説教するシーンもなんか変、だけど主人公は感動して生きることを選んでいるからまあいいか。

それでも芸者三原葉子と亡くなった恩師の娘との会話の場面、愛人と恩師の妻に誤解され悔しがる三原と優しく看取ってくれたことに感謝する娘のやり取りは二人の心の温かさと切なさが沁みて泣きそうになる。二人が目撃する花嫁たちが幸せそうに道を歩く姿がより一層三原の表に行けない立場を鮮明にする。

あと吉田輝男が少しだけ三原葉子と絡んでいるとき、息のあった掛け合いをする二人を見て地帯シリーズや女王蜂シリーズの往年の二人を思い出してしまった。
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