イチロヲ

温泉あんま芸者のイチロヲのレビュー・感想・評価

温泉あんま芸者(1968年製作の映画)
3.5
貞淑な新人芸者(橘ますみ)が、産婦人科医(吉田輝雄)との恋の成就に葛藤していく。温泉シリーズの第1作目であり、異常性愛路線の第2弾となる作品。ロケ地は、石川県の粟津温泉。

「売春防止法により職を失った娼婦たちが、旅館と手を組んで脱法売春をおこなっていた」という史実がベースになっている。橘ますみと吉田輝雄の恋愛事情を主軸に、芸者たちのドタバタ喜劇が展開される。

対立関係にある芸者小屋同士が、露天風呂でド派手にキャット・ファイトを繰り広げる。それまでの東映がやらなかった「女の映し方」を実践しており、あらゆる場面で景気よく女体が踊りまくる。

極めてストレートな艶笑人情劇のため、異常性愛路線の冠に違和感があるけれども、「東映の撮影システムに新しい潮流を呼び込んだ作品」という観点では、重要な位置付けであることが分かる。
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