自分のスカウトが女の子を「幸福」に導いてあげられる術だと信じる主人公 白鳥竜彦が、逆に声をかけた女性たちが次々と「不運」に導かれてしまう悲しい顛末に悔しい思いを抱えながらもその背後に潜む新宿の影に真正面からたちむかう前作の物語には次の展開を期待させるものが充分にあった。
続編の今作でこんなにも退屈に感じてしまうのは、この歌舞伎町が未だに退屈な暴力で力関係を示す単純な世界観で描かれていたり、分かりやすい金の繋がりで支配関係が描かれていたり、何より予定調和な展開で決着をつけてしまう使い古された日本映画シナリオの古典的の詰め合わせがそうさせているし、その展開にいちいち一喜一憂する登場人物たち全員がお馬鹿に見えてくる頭の中がハッピーすぎる作品だ。
何より書き留めておきたいことは、ここまでヒロインに魅力を感じさせない映画もない。一体あの絶対に死ねない自殺未遂や奇妙なダンスでこの作品は何を伝えたかったのだろう。
