湾岸線

バースデーカードの湾岸線のネタバレレビュー・内容・結末

バースデーカード(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

家人から勧められて視聴。毎年二十歳になるまで亡くなった母親からバースデーカードをもらう物語としか聞いておらず、嬉しい驚きが続いていました。
実際には母親が一緒にいてくれるわけではないけれど、母親が遺したバースデーカードにはたくさんの愛が込められていて、だからこそ紀子はまっすぐに育っていったのだと感じました。同じく正男もまっすぐに日本一周するまでに(笑)
それでも十八歳の手紙で母親の偉大すぎる姿に戦いたり、十九歳の手紙の時にそれを受け入れがたく思ったりする紀子の青春期にありがちな等身大の心の揺れを感じることができて、私もストーリーを追う過程で紀子の成長を見守ってきたのだと感じました。
二十歳が過ぎて、母親からの手紙がなくなった紀子は、それでもアタック25に参加したり、中学校の同級生である彼との仲を深めていったり、母親からもらったものを自分のものにしたかのような人生を歩んでいて、紀子にとっての母親の存在の大きさを感じました。
だからこそ「結婚する紀子へ」という本当に最後の手紙は、新たな人生の門出を迎えた娘の背中を優しく強く押してあげるように感じて、改めて母である彼女の娘を想う気持ちの大きさに気付かされて、思わず涙ぐんでしまいました。
最後の結婚式で、バージンロードを歩き、父親から新郎に繋がれた手、新郎新婦二人並んだ姿がとても綺麗に感じたのでした。
要所要所で彼女が身につけていた向日葵は母親を象徴しているのでしょう。母親への愛を受け止めてそのように返す紀子は本当に彼女の物語を生きるまっすぐな主人公なのだと感じました。
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