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ジュリエッタのmilagrosのレビュー・感想・評価

ジュリエッタ(2016年製作の映画)
3.8
終わった瞬間に、スペイン人がキョトンとした顔になる。これまでのアルモドバルの映画とは全く感触が異なる、滑らかで、落ち着いた映画。
彼の特徴であるポップで過激な描写は影を潜め、シンプルで実直なストーリーが展開される。驚くべきは、役者だろう。ジュリエタを演じる二人の役者が入れ替わるシーンの自然さ、美しさは素晴らしい。
『トーク・トゥー・ハー』に近い手触り。孤独と不確かな対話の物語。形は違えど、アルモドバルがずっと描いてきたテーマだ。止まることなく語られる彼女たちの物語からは、どうしようもない寂しさが滲んでくる。
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