くりふ

フミコの告白のくりふのレビュー・感想・評価

フミコの告白(2009年製作の映画)
3.5
【フミコのFはフライングのF、そして…】

あるきっかけから動画サイトで再見。スタジオコロリド石田祐康監督の初期短編。

野球男子に告り自爆するフミコ。収まらぬ思いから熱暴走が始まるが…。

暴走先へと彼女を動かすことに全集中の呼吸。が、かつての宮崎キャラほど身体感覚は呼び覚まされず、カートゥーンに近い軽みがありますね。精緻な一瞬芸。

身体の要は尻にある、というのが当時の、石田監督の女性観らしい。尻が司令塔の如く健脚を動かし、急斜面を滑走させる。それが滑空に転じても、中心はずっと尻にある。なるほど、だから延々“種”を求めるのが尻というので納得。あの“畦道ドン”は、狙ったのだ。

二度目のフミコ台詞が、いきなりああジャンプするのも、毎日の“F●●●”を求めたのだ。

もじもじ赤面しながら、実は狩女(かりゅうじょ)であるフミコの、命がけのハンティングを描いた迫力のアニメ。しかし、狩りには根気が要るのですね…。

やたら主張するフミコパンツが、純白一色なのに、妙に生々しい理由がよくわかりました。

物語の満腹感からするとパイロットフィルムという感じでしたが、これは石田監督の、アニメ歴のパイロット、ということなのでしょう。『雨を告げる漂流団地』には感心しませんでしたが、また原点の尻に返って、新たな種から新たなナニかを産み落としてほしいです。

空パンチラ 陸から見れば UFP
(unidentified flying panties)

<2022.11.22記>
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