ダイセロス森本

アナイアレイション -全滅領域-のダイセロス森本のレビュー・感想・評価

5.0
SFを超えているSF。これは本当に永遠に称賛される映画。
面白かった~!ネットフリックスこういう世界観好きだよな~!という感じ。また楽器の使い方が全部STじゃないですか~!PC音楽を駆使して、ストリングスとか使うのは時代遅れよ!みたいな雰囲気出してくれるのも好きだし、このたまらない世界観とオチが最高すぎて、何も言えないくらい好き。

地球に突如現れた膜、内部に入った軍隊は戻ってこない。唯一戻ってきた主人公の夫は瀕死の状態。これをみた主人公レナは膜の向こう側へ行くことを決意。女だけでこの世界の内部に入っていくのも勇敢。たた5人でこの世界を調査するというんだからね…。

中へ入り、最初に起きるのが記憶喪失。そこから森のなかを歩いていくとたどり着くいくつかの場所。全員が避難した町。人型の木。
美しい動物もいれば、どう猛な動物も存在する。そしてひとつの株から成る美しく多様な植物たち。
そこにあった前調査隊の死体さえ、なんて美しいものなのだろうと思ってしまう。これは美術が信じられないレベルで未知の世界を作り出してしまったみたいだ。本当に素晴らしい。配役ももちろん、動物のデザイン、植物、エイリアン、そして死体のデザインがどうしてこんなに美しく感じてしまうのだろう…!ぞくぞくする。

だけれども5人の女性がそれぞれ厄介な問題を抱えすぎているので、たびたび厄介な問題を起こす…。けどそれがまた人間らしくてとても良い。

ずっと長そでを着ている女性、薬物中毒の女性、娘を亡くした女性、夫がここで何をしていたのか探る主人公、そしてそれを統率する、ガンを患っている女性…。

ヘビーすぎるでしょ!。

それぞれがそれぞれの生き方をしてきて、たまたまここに集まって、たまたまここで生きるか死ぬかの線を行き来している。
その姿がとても生々しくて重い。
進化している動物も怖い。

細胞の話がそこへつながるのか、という面白さ、そして静かで美しい向こう側の世界。

主人公が最後「どうして地球外生命体はこの地にいるのか、何が目的なのか?」と尋ねられた時の答えに新たなSFを感じた。とても面白い。

静かに流れていく映画だが、これは本当にちょっとびっくりするくらい面白い。

映画館で見たいし、なぜこれをネットフリックスで配信するのかが不思議で仕方ない。これならじわじわと拡散していくだろうに。勿体ないの一言である。