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SING/シングのnaitのレビュー・感想・評価

SING/シング(2016年製作の映画)
3.9
公開から1カ月近く経ってようやく観てきました。

結論から言えば、劇場観賞しといて良かったッス!!
シンプルって言えばいいんだろうけど、実は計算され尽くした「シンプル」さなんだよな。

自分が感じたテーマは2つ。
1つ目はタイトル「SING」が示す通り
音楽への限りなき愛情。古今東西60曲以上の名曲がブチこまれているにも関わらず、楽曲そのものの力とストーリーが強力に結びついている。
ボイスキャストにも歌える人を起用している点から言っても、
劇場支配人バスターのごとく、エンターテインメントできっちり楽しませるぜ!という製作側の意図が伝わってくる。

もう一つは自己実現。主要キャラクターが皆、何かしらの理由があり、本当の自分を抑えて生きている。彼等は[SING(歌う)]することで自分のアイデンティティと向き合う。このドラマが終盤に歌と一緒に炸裂していくワケですよ。上がらない訳がない。
最近は【誰かの為にがんばりま~す】な映画が多いんだけど、本作はどのキャラクターも自分と向き合い、そこからなりたい自分を見出していく。だからこそ、観ている側も応援せずにはいられない。

ギャグ描写なのに泣けるとか、どうかしてるとしか思えない、脚本の上手さ。冒頭で申し上げた「計算されたシンプル」な作品だと思う。

惜しむらくは、テンポにこだわり過ぎて一部キャラクターのドラマが掘り下げられずに終わっちゃったところだけ。

私は字幕版で観ましたが、機会があれば吹替版も評判良いので、観てみようと思っています。
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