ほのか

ゴッホ~最期の手紙~のほのかのレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
3.8
話題作はとりあえず観ることにしてるので。

全篇油絵の前代未聞のアニメ?映画。
一回全部実写で撮ってそれをもとに油絵に描き起こしたそうな。す、すごすぎ…!!敬意を表して絵もちゃんと見ようと思ってたのにあまりにも話が面白くてそれどころじゃなかった。時々ハッ絵も見なきゃ!ってなるけどすぐまた話に落ちてた。

話はゴッホが死んで数年後が舞台。ゴッホから弟のテオへの最後の手紙を届けるためにゴッホが最期を過ごした街にきた郵便屋の息子アルマン。そこでいろいろな人から聞くゴッホの死はそれぞれ違っていて…。本当にあったことはなんなのか?ゴッホは本当に自殺で死んでしまったのか?
この話が「ゴッホが死んで数年後」の話ってのが面白いなあって思った。当時のことを鮮明に覚えてる人もいるけどかつてほどみんな深刻ではなくて噂が噂を呼んでる。それぞれの中で思い出話になってて、どこで誰が尾びれをつけたかわからんくてみんな話が矛盾してるんですよね。たくさんの証言を並べるだけ並べられて当たり前だけど結局答えはわからんまま。もう答えがわかるわけがないものへの切り込み方が斬新で面白い〜!

ゴッホが撃って?撃たれて?自分の腹から血が出てるの見てるところで、なんか久し振りに自分が死ぬことへの恐怖感じた。じわじわ死が迫ってる感じ。長生きなんか絶対にしたくないし死ぬことに怖さなんかまったく感じてなかったけど、今まさにだんだん虚無へ連れていかれてるんだなあって考えてしまう時間はほんと怖いって思った。

印象的だった宿屋の娘。初めは明るくて親しみやすくていい子だな〜と思って話聞いてたけど医者の話を聞くと笑顔がだんだん怖く、胡散臭く見えてくる!もう野次馬おばさんにしか見えない…。そんで謎の少年怖すぎる。わたし本当にピエロが無理なのでなんかそれと同じ匂いした…。無言で追いかけさせるのほんまにこわい。ホラー映画始まったかと思ったわ。
場面転換でよくカラスが飛んでた。不吉の象徴だなぁ。ゴッホがカラスと仲良しだったってのもこわっ。