のんchan

ノー・ホーム・ムーヴィーののんchanのレビュー・感想・評価

ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)
3.6
『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』があまりに素晴らしく、まだ余韻が残っている中、他作品を観る前に先にこの遺作を鑑賞。

アケルマンの原点となる母親のポートレートであると同時に、自身の映画史の出発点を探るドキュメンタリー。

ポーランド系ユダヤ人である母ナタリーの日常を固定カメラで映し出している。
キッチンで向かい合って食事しながら、過去の話を紡ぐように誘導して言葉を引き出す。

どれくらいの撮影期間だったのか?月日が流れているのが母親の老い方で伝わってくる。
それほど多くの言葉はないものの普通の母娘の会話も多くて微笑ましい。
アケルマンがアメリカにいる時、Skypeでやり取りするのが映し出されるが、何度も切るよと言ってもいつまでも切れない母娘😁

母親が眠りたがる。起きていられなくなりソファで昼寝。その度合いが多くなっていく過程も映していく。

撮影途中でお母様は亡くなったようだが、誰もいなくなった実家の部屋を定点カメラで映すことで寂しさが表れていた。

完成後に自身も他界。本人が出ている作品はやはり貴重品ですね。


ただ、失礼ながら無駄にフィルムが回る所が多く(延々と風に揺らぐ枝葉、誰も居ない部屋、車窓からのブレた風景等)もう少し編集して欲しかったと感じてしまった。

娘が母を感じるためのホームビデオ📹にしか思えないのは、ただただ私の芸術性のなさでしょう💦
のんchan

のんchan