橋口幸生

レゴバットマン ザ・ムービーの橋口幸生のレビュー・感想・評価

5.0
「レゴバットマン」観ました。
「ダークナイト」と並ぶ
バットマン映画の金字塔と言っていい、
すばらしい映画でした。

66年のアダム・ウェスト版から
ノーラン三部作まで、
全てのバットマン映画や
原作コミックを総括しつつ、
バットマンというキャラの
本質を正しく理解し掘り下げてる、
究極の「バットマン論」とも言える作品です。

バットマンが自分の過去と向き合い、
成長し、最後には救われるという、
ティム・バートンや
クリストファー・ノーランですら
描けなかった物語をやり切っています。

冒頭、バットマンが殺された両親の写真を見て
「ボク、今日も街を守ったよ」
という場面。
このたった一言がバットマンという
キャラクターのすべてを表現していて、
残りの2時間、
僕はずっと泣きながら観ていました。

バットマンに加えて、
脇役たちのキャラクターもすばらしい。
ジョーカーとバットマンの関係は、
「ダークナイト」から
さらに踏み込んで解釈され、
完全な「ラブストーリー」に
なっているのが見どころ。

有名キャラながらこれまでどうにも
映像化に恵まれなかったロビンが、
むちゃくちゃキュートなのも良い。

権利関係の限界に挑戦したかのような
様々な映画のパロディ満載なのも、
映画ファンにはうれしいところ。

以上、アメコミオタクの
気持ち悪い思い入れは抜きにて、
エンターテイメントとして
抜群にクオリティが高いです。
予備知識ゼロでもまったく問題無し。

溢れる遊び心やハイテンションなギャグ、
アクションを楽しみつつ、
人とつながるということについて
考えさせられる部分もあり、
親子で見るのにピッタリです。

観終わるとついついグッズが欲しくなり
お父さんのサイフのヒモが
ゆるくなること間違い無し。
レゴのブランデッド・コンテンツとしても
完ぺきなつくりです。

ザック・スナイダーとベン・アフレックは
本作を1億回は観て、バットマンとは何か、
ヒーロー映画とは何かを勉強して、
今後に活かして欲しい。

前作「レゴムービー」も最高なので、
未見の方はぜひ。
橋口幸生

橋口幸生