Sworter18

ヒトラーへの285枚の葉書のSworter18のレビュー・感想・評価

ヒトラーへの285枚の葉書(2016年製作の映画)
3.9
君はこれで何かを変えられると思ったのか――?
この言葉とともに、主人公に残酷な3桁の数字が突きつけられる。絶大な力を前に、名もなき個人はあまりに無力だ。そして「力」より恐ろしいのは、その「力」を盲信する(あるいは価値判断を放棄した)人々の圧だ。警部が放った数字に、それをまざまざ思い知らされる。
ナチスドイツが舞台の映画ではふつう警察の存在感は薄い。親衛隊と異なる存在として警察捜査が描かれているのは興味深かった。単に主人公を追う悪役で配されただけではないことに途中で気づかされ、ストーリーは複眼的になっていく。そして警部もいつしか――。


最後に✕な点。
肝心の葉書も街のナチ党のポスターもドイツ語で書かれているのに、みんな喋るのは英語なのか…。演者たちには何の文句もないが、違和感が拭えなかった。古代ローマ人や宇宙人が英語を話しても許せるけど、ナチスドイツのベルリン人はあかんやろ。と思いました。
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