ペンギン侍

リトル・マーメイドのペンギン侍のネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

価値観の選択と受容の物語。子は親に従うべき、海の下の生活が安全。それでも私は陸に行きたい、好きな人と一緒にいたい。そうやって価値観がちがう者同士でも手を取り合っていこうよ、というメッセージが強く込められているように感じた。

自分の選択を時には後悔することもあるけど、最初足元がおぼつかなかったアリエルは最終的に走りまくる。

アニメのラストって、アリエル父が娘が嫁ぐのを“許す”みたいな感じが強くて(アースラやっつけたらすぐアリエルに足生やしてあげてた気がする)そのままエリックと陸で結婚して暮らしてたよね?
実写ではそれがなかったのが人間臭くていいなと思った。父は「ここ(海の下)がお前の場所だ」といい、エリックへの想いが断ち切れないままアリエル岩の上からお城を見つめる。父が一旦受け入れなかったのに、だんだんアリエルの決断を受け入れていったという過程が、いろんなことで分断されている現代社会にも通ずる何かがあるなと。冒頭に出てた「人魚は涙を流さない」からの、父や人魚仲間が自分の選択を受け入れた時に自然に流れたアリエルの涙よ……!

最後は人間も人形たち(ガチでいろんな人魚)みんなでてきてアリエルとエリックを見送る。エリックの母も「ここからがスタート」と言っていたように、いがみあっていた人間と人魚の分断がなくなった。ラストが原作と違うと異論もあるかもだけど、アリエルとエリックが漕ぎ出したボートがとても希望に見えた!2023年のハリーのアリエル、だいすき!

ミュージカル的な部分で言えば、まずハリーの歌声を聞くだけで泣いてしまい、アースラ劇場は本当に引き込まれてしまった。アースラはきっとスピンオフ映画あるでしょうね!エリックの歌唱パートが(アリエルやアースラに比べて)今ひとつだと感じてしまったのは私だけ……?
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