みぞ

リトル・マーメイドのみぞのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

Halle Baileyがかわいくてアリエルの歌声であることに全く異論は無いがとにかく演技が物足りない。PoyWはじめ、陸に上がってからもやることが異常=おもしれー女なだけで、惹かれる要素として本人の性格たる部分がまったく浮き上がってこない。
いや、海にいた時から、性格は観客が勝手にアニメから補完していたのかも。
「アリエルはどんな子か」が全く印象に残らない。そりゃアニメのように自由自在な表情なんて求められないし同じようであれとも言わんが、核じゃん。眉と肌が同化してるせいもあるかも。
エリックも迷いの部分が強調されすぎて、快活な魅力に欠けてしまったのが惜しい。

舞台版でも無かった王国の改まった描写とそれに付随する陸の生活の表現はより自然らしくなっており、実写化における一番の功績。
アニメで一番好きなシーンは冒頭海に潜って王宮に辿り着くとこなのだが、こちらも居場所がわからなくなるような酩酊を催す浮遊感が最高だった。

あとハビパパ、かわいかったけど、人が大切にしてるもの壊したら別件で命投げ出して有耶無耶にしないでちゃんと謝りなさい。LMのまじで無理な点なので温存悲しい。
そして顔面アップ多用が許されるミュージカルはレミゼラブルだけです。


楽曲まわりに関して徐々に追記
・Fathoms Below
冒頭からのカットは暫く恨んだがパーティでの若干の復活で溜飲を下げた。
元々他の曲に比べて存在感は薄いが、船乗りが抱く海への憧れと畏怖を象徴する曲なので、双方の誤解をキーとする今作では邪魔だったのだろうか。
・Part of your world
アニメを踏襲しすぎな構図のため比較されるのは避けられないのに、それに見合わない演技が惜しい。
Re1も同様で、芝居歌できないのが決定的になってしまい以降の期待値を下げた。波にも無理がある。
Re2は大歓喜。天才。素晴らしい三段活用。
・Under the seaといわばOn the land
音楽的にも映像的にも対になる素晴らしい追加楽曲に感謝。
UtSの延長は見え見えの展開で、美しいには違いないしリアルとファンタジーの絶妙なバランスも涙が出るほどだが……3番の踏みまくりパートはリアルに寄せると9割意味を失ってしまう悲しみに耐えられない。the newt don't play the flute.
・インスト曲とカット曲
主たるメロディはそのままの部分も多い。
2つの王宮から西洋貴族的要素を取り払ったことでカットされた部分もそれなり。
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