えいがたろう

ブラック・スワンのえいがたろうのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
4.0
ニナの内面世界の話で完結しているが、侵食されていく様は好きだった。

ホラーのつもりでアロノフスキーはつくったらしく、ホラー的なことが妄想とも現実非現実の境界をこえるのでもなく、すごくいい加減だという批評もあり、観ていてホラーだとは全然思わず、ホラー映画としては良くないなと思った。

なにかを丹念に取り組み、作品の悪魔的なものに触れ、気が触れて、同化し憑依されていくのを、撮ろうとしていたから、境界は曖昧なのだと思った。なので、映像で伝えづらそうだが、ニナが作品と向き合うシーンをもっと増やして欲しかった。

母親やライバルは、エンタメ上の登場で、二次的要因な気がしていたので、それら外部要因で気が触れたように見えたのだけ気になった。それらが原因ならば、『反撥』の壁割れのような拒絶表現をもっと見たかった。

でも、なんといっても鏡映画が大好き。