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ブラック・スワンのいのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

怖いです。

ナタリーポートマンが主演女優賞を取った作品ということで、どんなもんかなと見て見たんですが、ヒヤヒヤしっぱなし。なんだか怖いことが起こりそうという気持ちが最初からしていて、だんだん貧血になりそうになる、そんな映画。

物語は白鳥の湖の主役に選ばれたバレリーナのお話。ニナは才能はあるが神経質で、少しの事でも気になってしまう性格。過保護な母親と暮らし、バレエという狭い世界で暮らしている。しかし、その暮らしには満足していたはずでした。この時の彼女はまさに清廉潔白で美しい白鳥オデット姫。
しかし、今回は黒鳥オディールも演じなければならず、自分の感情を表に出せないニナは自由気ままに踊るライバル達に劣等感を感じます。オーディションで選ばれないと悟ると、演出家トマを誘惑してその役を得ようとします。
それは上手くいかないと思っていたが、トマを拒むという行為が逆に黒鳥の強さを思わせ、見事役を得ます。
そんな悪女のような自分に拒絶反応を起こし、もう1人の自分、つまり黒鳥を感じるようになります。
しかし、練習では上手くいかず、トマに黒鳥になれと叱られます。そんな時、ライバルのリリーが現れ、ニナに酒や薬を進めます。ニナも悪い道を知ろうと、自ら飲み、そのひとときを楽しみます。
家に帰ると、怒った母が現れますが、母を拒絶し自分の部屋にこもります。
本番を目前にし、自分が自分でいられなくなってしまったニナ。母はそんな彼女を見て、あなたにはあの役は無理と家に閉じ込めようとします。しかし、どうしてもあの役を演じたい、演じるのは私だと無理やり会場へ向かいました。
会場へ着くと、代役を任されたライバルリリーが準備をしていました。この役を演じるのは私だとトマに言いつけ、ニナはメイクを始めます。体を見ると、何故か人間の形を保てなくなり始めていました。
白鳥を演じますが意識が朦朧とし、倒れてしまいます。黒鳥の準備のために楽屋へ戻ると、そこにはリリーの姿が。私が黒鳥を演じようか?と提案されます。ニナはリリーに帰れと怒鳴りつけ、黒鳥を演じるのは私だと言い、リリーを倒します。黒鳥を見事に演じ、みなに認められたニナ。
しかし、倒したはずのリリーがニナに賞賛の言葉を送ります。楽屋に戻り、様子を確認すると、倒したのはリリーではなく自分自身だと気づきます。
ニナは黒鳥になってしまったのです。
それに気付いたニナはオデット姫のように舞台から消え、そこで映画の幕も閉じます。

ここまで書いて、ようやく分かりましたが、この話はニナ自身が白鳥と黒鳥両方を持っており、白鳥の湖になぞらえて話が展開しているように感じます。
ニナは白鳥と黒鳥、リリーはロットバルト(作中でも姉妹みたいなものと言っていましたが、それを家族と捉えれば、、、)、トマはジークフリート王子、母親はオデット姫の侍女たちでしょうか?
個人的にはジークフリート王子が黒鳥オディールに誘惑されてしまうという原作のお話が、トマが女好きである事や、ニナに黒鳥になることを求める点で的確に表現されている気がします。
一見すると、よく分からない話だと思ってしまいますが、人間の中には二つの面があり、そのどちらかを隠すことは出来ないというメッセージが込められているのかもしれません。
それにしてもナタリーポートマンの演技が秀逸すぎて、すごく引き込まれました。怖いと思わせる部分はそこにある気がします。
長々と書いてしまいよく分からなくなってしまいましたー
おしまい。
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