あんじょーら

ブラック・スワンのあんじょーらのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
3.3
ナタリー・ポートマン、映画「ビューティフル・ガールズ」を見たときから結構気になってました。「レオン」はあまりに有名過ぎて見てないのに展開や結末を知ってしまったので未見なんですが、出演作は結構見ている方だと思います。「スターウォーズ」新3部作、「クローサー」、「宮廷作家ゴヤは見た」、「ダージリン急行(の同時上映小作「ホテル・シュバリエ」)」などです。で、1番個人的に良かったのはチョイ役でしかないんですが「ビューティフル・ガールズ」が印象に残ってます。非常に整った顔立ちですが、オトナになるにつれ段々痛々しくなるのが何故なんでしょうかね。子役のころの輝きが顔立ちは整って綺麗で美人なのに、何故か輝きは無くなってしまっているように感じられます。



ニューヨークのとあるバレエカンパニーに所属するニナ(ナタリー・ポートマン)はソリスト。プリマと呼ばれる主役はベス(ウィノナ・ライダー)はそろそろ引退するのではないか?と囁かれています。そんなカンパニーの次回公演が「白鳥の湖」に決まり、そしてそのキャスティングには振付士で演出家のトマス(ヴァンサン・カッセル)に決定権があるのですが・・・というのが冒頭です。


ナタリー・ポートマン、頑張ってます、身体張ってます!当たり役だとも思います。二ナがどんどんと精神的に追い込まれていく様がなかなか上手く切迫感あります。けど、何だかイタい感じもあります。確かに精神的なプレッシャーを感じて精神的に不安定になっていく様はリアリティありましたが、エスカレートしていくことでの顔つきにイタさを感じました。それでも、1年かけて身体を作っていくのはさすがプロのアクターです。


鏡を使った不安定さの見せ方も、バレエならではの鏡の多さも、リアリティがあって良かったです。ただ、バレエのことを扱ったというよりは表面上のバレエを題材として扱った、という印象は否めません。


そして、ホラー作品としてなかなかに怖い映画でした。特に私は皮膚疾患でアレルギー性のアトピー持ちなのですが、知らず知らずのうちに身体を掻く、という恐怖はリアリティあって怖かったです。また、母親に爪を切られるシーンも恐ろしかった。あまりカミングアウトしたくないのですが、私は先端恐怖症です、だからこそ、爪切りの場面はかなり怖い!


ホラー作品に興味がある方に、ナタリー・ポートマンが好きな方にオススメ致します!


アテンション・プリーズ!!

ちょっとネタバレありです!!未見の方はご遠慮くださいませ。

































ストーリィがちょっとステレオタイプ過ぎるんじゃないか?と。確かにバレエの世界はよく知りませんけど、髪の毛下ろして踊ってるから妖艶でパッションあるとは言えないんじゃないか?と思うのです。ライバル役のリリーの奔放さを描くのも安直な感じですし、何よりちょっとアレ関係がストレートでレディコミっぽ過ぎて(よく知らないですけど)食傷。なんだかホモセクシュアルな関係が目新しいもの、ということになっているかのような感触というか流行を感じました。男同士はもういろいろやったから女バージョンあならどうよ?というような製作者側の意図が透ける感じで、もっと驚かせてくれよ、とつい思ってしまいます。あくまで個人的見解ですけど。


最後の場面も都合良すぎますし、普通そんなに長く踊ってられないし出血止まらないでしょう。だって4幕って結構長いです。ま、映画的ではそこはいいのかもしれませんが、だとしたらバレエ関係者をほぼすべて敵にまわす覚悟くらいの意気込みを見せて欲しかったです。


なので、個人的解釈ですと、ニナが振付士トマスに主役に抜擢してくれ、と訴え、退けられてから後すべてが彼女の脳内妄想、という作品としてしか考えられないです。でもホラー作品として怖かったので観て良かった、とは思いました。これでイタイ役者さんとしてナタリー・ポートマンは行くのでしょうか?そうなるとウィノダ・ライダー方面に行ってしまうのでしょうか?それはそれで怖い。