けすん

ブラック・スワンのけすんのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
3.8
あらすじなど一切見ずに鑑賞したため、白鳥と黒鳥の二役を1人で演じるバレリーナの成長の物語と思っていたがそうではなかった。この作品がサスペンスやサイコスリラー映画という括りに入る理由が鑑賞後によくわかった。

この作品はエロの要素がふんだんに入っているのも印象的。黒鳥を演じるために、プライベートでも性に目覚めさせられていく姿は官能的であると同時に狂気を感じた。また血の使い方もこだわりがあったように感じる。妄想の世界と現実の世界で揺れ動きながら、どちらの世界で苦しんでいるのか自分でも理解していない主人公のニナと同様に、視聴者である私たちも判断が難しいと思う。

ナタリーポートマンは役作りのために役10キロ減量し、1年に渡るバレエの特訓をしたという事実。圧倒的な演技力や美貌には圧巻だった(ボディダブルの論争があるのは事実だが。)

全体を通してかなり鬱展開が多め。女同士の嫉妬、過保護な親に対する反発、ドラッグやセックスなど人間の腹黒さや欲望がリアルに描写されているため、しんどくなってしまう人は少なからずいると思う。大衆向け作品ではないと個人的に思うので、こういった事実を理解した上で鑑賞するべきだと思った。
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