『冷たい熱帯魚』（2010）
小さな熱帯魚店を営む社本の家庭では、年頃の娘が若い後妻に反発しており、そのため彼と妻との関係にも亀裂が生じていた。そんなある日、彼は娘が起こした万引き事件をきっかけに同業者の村田と知り合う。やがて村田の事業を手伝うことになった社本は、いつしか恐ろしい猟奇殺人事件に巻き込まれていく。(映画.comより引用)
この作品も心してみなければという後回し作品にしていましたが、やっと鑑賞。グロ耐性は下がってきましたが、そこまで生々しい描写は多くないかも。血とか人体系がダメな人はお勧めしません。
本作で村田のバックに流れるのは、マーラーの交響曲第1番『巨人』の第3楽章。日本人にとっては、グーチョキパーの音階に聞こえることもあると思います。本作との繋がりが気になって、調べたところ、モチーフとなっている「フレール・ジャック」というフランスの民謡では、聖職者や聖騎士団員の処刑にまつわるものらしく。不良少女たちを表向きは更生させようとしている村田は冒頭では「いい人」扱いされていましたし、腑に落ちました。
最後に。監督に対する報道が何年か前にありましたが、映画制作における現場での健全な労働環境が保たれる当たり前の社会を望みます。（キャスティング云々に限らず、そもそも撮影が早朝や深夜や、泊まり込みなど労働においてかなりグレーである業界だと思うので尚更です）
2023-559
