ゆう

冷たい熱帯魚のゆうのレビュー・感想・評価

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
3.0
初めての園子温監督。

邦画でこんなに楽しいホラー映画があったとは!!!
(人間の狂気を描いたサイコホラーだと私は思いますですはい)

序盤は社本父にイライラしっぱなし。冷凍食品をチンしただけの飯しか用意しない後妻、グレて夕食の途中に何も言わず遊びに出かける前妻の娘。このグダグダな家族関係に喝は入れられないわ、明らかに怪しげな男にホイホイついて行くわであったま悪い親父!
…というかなんか、父はもう生きる意味とか喜びを見失っちゃって、抜け殻みたいになってた。あんな親父じゃ妻も子供も余計に冷めるわ。悪循環とはまさにこの事。

しかし、でんでん扮する村田がとーってもサイコな人で、彼と関わるうちに追い詰められプッツンきた父はついに 覚 醒 !!ここらへんから楽しくって楽しくって爆笑しながら観てた。父も前半と比べると若干楽しそうだったよね。水を得た魚のようだった。理性なき人間の動物性を垣間見れて大変、満足。ああなるときっと悩みやジレンマなどの全てのしがらみから解放されるんだろうな。

ラストが少しね、観方によっては切ない要素もあって、ちょっと気取り過ぎな印象があった。ぶっ飛んでると言えばぶっ飛んでるけど。
ヒューマンドラマとして深いこと考え出すと若干脚本に無理がある気がしたから、これはやっぱりサイコスプラッタホラーとして楽しく観るのが正解な気がする。
ゆう

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