にっちもさっちも

テイキング・オブ・デボラ・ローガンのにっちもさっちものレビュー・感想・評価

3.9
これはちょっと掘り出し物の超面白いホラー映画だった。アルツハイマー×取り憑きというありそうでなかった設定が最高。ホラー描写と謎解きを同時にしっかり走らせているので飽きない。デボラに限らず登場人物がキャラ立ちしてるのも良い。特に、サラはパニックやヒステリーを起こさず冷静かつ大胆に関与するのが好印象。

そして、ラストスパートの熱量はこちらの想定を大きく上回る熱量で圧倒された。伏線を回収しながら、視聴者が心のどこかで見たがっていた凄まじい画をこれでもかと見せつけてくる素晴らしいラスト。前半の不穏さ満開ながらもゆっくりめのペースからの振り幅が素晴らしい。

ただ、ホラーは異常事態が起こる場所を起きる前にしっかり見せて説明すべきだけど、それをしない(隠し部屋が次々出てくるとか)のがズルいと思った。ドキュメンタリーフィルム設定なのに、ジャンプスケアではガンガン音響付いてるのは笑った。伝聞とか台詞で説明・補足される異常事態もちょくちょくあって、その辺はホラー映画として未熟に感じた。