まいこう

鉄コン筋クリートのまいこうのレビュー・感想・評価

鉄コン筋クリート(2006年製作の映画)
4.0
プレチケ上映会で、新宿バルト9にて公開当時以来に観てきました。
学生当時はあんまりよくわかってなかったんだな…という感想…
そのときは映像のかっこよさとかはいいなぁ〜と思ったけど、今回話自体はビジュアルと違ってなかなか渋いと気がつきました。
暴力シーンも多いし、ヤクザ、半グレ、チンピラ、子ども向けカジノ誘致って大人になって改めて観るともはやバイオレンス映画だろって感じがしました。

バイオレンスなファンタジー映画(痛めつける目的でないもの)は好きなので、大人になったことでストーリーの文脈がわかって前観たときよりも楽しめました。
ネズミと木村の関係性とかは前から好きだったけど、なんか泣きそうになった…

ちょうど今週ピンポン上映会に行ったことで松本大洋作品ごとのテーマや映像化の方法の違いも感じられて面白かったです。松本大洋はすごい

映画版の鉄コン筋クリートに関しては、話がめちゃくちゃ大好き!というよりもとにかく映像が好きです。
風景画のレイヤー感や手ブレ風の演出、背景までびっしり描き込まれたアニメーションは見ててワクワクします。
なんちゃって中国感やなんちゃってバリ感漂うアジア風の街並みもかわいいです。
あとアジカン好きなので、エンディングの或る街の群青で自分にとっては良さが盛られてる感もある…
結構映画オリジナルの演出が入ってるので漫画とは別物感が強く、それぞれの脚色もいいけど全体で見たら漫画の方が好きかな〜

タムラとか嵐とか、ところどころ松本大洋作品や役者さんへのオマージュかな?と思う看板やグラフィティもあって、時間が経ったことでの新たな発見もありました。
マッチを持つ手がスーパーカー「A」のジャケットに手のポーズも角度も激似だったけど、それは考えすぎか…


以下は鉄コン筋クリートとは関係ないですが、
この前永い言い訳を観たときに演技をするモッくん初めて見たと思ったけど、がっつり蛇としてこの映画に出てました…こんな役もやってたとは…怖い役にもはまっててよかったです。
他にもクドカンや大森南朋や岡田義徳など当時は知らなかった役者さんが出ていることを今日知り、かなりの豪華キャストだったんだなーというのも今さら知りました。
ネズミが田中泯さんだったなんて知らなかったけどほんとによいキャスティングだな〜
あとやっぱり蒼井優のシロが最高、漫画で見たシロのようでした。
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