豚

ゾンビ・サファリパークの豚のレビュー・感想・評価

ゾンビ・サファリパーク(2015年製作の映画)
3.0
ゾンビパンデミックによって20億人の犠牲を出すも、ゾンビたちとの戦争に勝利し復興した世界(の一部)で繰り広げられるパニックヒューマンドラマ。
物語の舞台は、"死に残り"のゾンビたちを管理し、富裕層のハンティングとして提供する「リゾート」という孤島。

主人公はゾンビパンデミックによって父親を失い、それが原因でPTSDを発症。
その治療として薦められたゾンビハンティングに赴くも、やはり元人間相手に銃を向けるのは気が進まず……という、ゾンビ映画としては意外(?)にもシリアス寄りな内容で、C級感丸出しなタイトルとの温度差にまずビックリ。
主人公一行はヒャッハー的ゾンビ狩りにいそしむも、島のメインコンピューターにウイルスが感染、すべてのセキュリティがダウンしてしまうという、いかにも展開からゾンビパニックスタート。

その後は可もなく不可もなくというか、いわゆる定番どころの演出を抑えつつ、裏切りやお涙展開も加えラスト=脱出へ向けて突っ走る、ゾンビ系・パニック系のお手本のような内容。
とはいえ全体的に丁寧かつそれなりの予算(と思われる)で作られているので、チープさはあまりなく、しっかりとしたゾンビドラマに仕上がっている印象だった。
あえていうならキャラクターの描き方や展開が極端な部分もあったりして、その辺りはちょっとツッコミどころかも知れない。

ゾンビの造形やカニバル描写はややマイルドで、ゾンビ映画としての入門編としてもピッタリな内容です。
難民問題や、人間の都合で使い捨てにされるゾンビの"ゾン権問題"など、人類のエゴに切り込んだテーマも(説教臭いけど)入っていて、ダメダメな作品の多いゾンビ映画の中では、かなりマトモな部類に感じました。
「M:I2」で敵役を演じたダグレイスコットなんかも出演。
かなり強烈なキャラクターで主人公よりも印象に残りました。

日本版ポスターがかなり珍妙な出来で、コメディかと勘違いしてしまいそうなのは難点か。
「ホントにホントにホントにホントにゾンビ狩り」てキャッチコピー笑った。
豚