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メットガラ ドレスをまとった美術館のkisekireiのレビュー・感想・評価

4.1
素晴らしいなんて言葉じゃ足りないくらい。
情熱的に仕事をしている人のドキュメントって、やっぱり胸が熱くなります。

メトロポリタン美術館で毎年開催されるメットガラ、その当日までの舞台裏をドキュメントで魅せてくれました。

「プラダを着た悪魔」のモデル、アナ・ウィンターが主催しています。
彼女は冷徹で怖いと揶揄されることもあるけど、
ただただ仕事が本当に大好きで、一つの妥協も許さない唯一無二の存在だと思います。
昔のボスに似てるんだよね 笑

歴代五位の興行収入だった、2015年のChina: Through The looking Glass(鏡の中の中国)をピックアップして撮られていました。

中国側との、歴史感や政治的な絡みの難しさとどう折り合いをつけていくかと言う過程が興味深く、最初私も、中国?ファッションねぇ??と正直思いました。
現代のファッションと中国があまりにも結び付かなくて、やはりそこはアナ側と中国側も議論していました。
現代美術を取り上げてという中国に対し、だって発展途上じゃん、とさえ言ってたな 笑
だからこそ、歴史と文化の美しさを取り入れたクチュールの数々は、それはもう見事としか言いようがなく…。

オープニング当日の朝までギリギリ間に合うか間に合わないかの緊迫した状況からの、盛大で華麗すぎるパーティ。
アンハサウェイやクロエセヴィニー、Jロペス、Gaga、ジャスティンビーバー、そしてそして、リアーナなどなど…
豪華なスター人がレッドカーペットに登場します。
この人たちは、当日だけの主役で、でも、裏方と表舞台とのこのギャップが本当に、なんとも言えない気持ちになってちょっと涙が出ました。

ジョンガリアーノやゴルチェ、ジバンシーやマックイーンなど、誰でも知ってるデザイナー達の美の共演。
でも、みんな、私たちはアーティストではない。服飾屋、デザイナーなんだと、芸術家と言われることをよしとしないところ。
なんか本当に面白い✨

私は純粋な日本人なので、そのアイデンティティを錚々たるデザイナーがどう表現してくれるのか、いつか観てみたいなぁと思いました。

紹介されていた、ウォンカーウァイの花様年華、絶対見なくては。

※ジャケットの写真、映画の中の一コマなんだけど、私もとても好きな場面で、あーここを切り取ったんだと、なんかね。胸がいっぱいになりました。
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