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メットガラ ドレスをまとった美術館のぉのレビュー・感想・評価

3.8
ファッション界の話だから、プラダを着た悪魔を思い出した。
イベントに招かれるセレブのラインナップだったりセレブが着るドレスの豪華さが取り沙汰されがちだけど、メトロポリタン美術館の服飾部門の資金集めのイベントとして、ファッション(服飾)におけるアート(芸術)性について追求する人たちの姿を見ることができた。ブランドの名前に価値を見出して購入する層もその層にマーケティングをする実態にも言及がなされていて、ファッションにまつわる商業性も彼らは真剣に考えていて印象的だった。ファッションという言葉が流行(トレンド)と結びつけられてて、何かを表現するというよりも流行っているアイテムを身につけたり、それこそsnsで見たアイテムを買ったりするし、プチプラやファストファッションとという言葉もある現代で、ファッションという言葉の意味も考えさせられた。
また、イベントを開催するまでの準備期間、ゲストの席順だったり、装飾に対するこだわりだったり、一つも妥協も許されなくて、アナについて仕事をする人たちが格好よかった。ファッションで仕事をする人の姿を見て、プラダをもう一回見たくなった。

2015年のテーマはChina: through the looking glassで文字通り中国の文化を扱ってたわけで、西が東を描くというオリエンタリズム的な側面、中国・アジアに対するステレオタイプな見方が存在することに加えて、中国とアメリカの政治的な関係だったり、毛沢東が1番のそれだけど、古代から近現代までの歴史的事象が政治性を伴う中国の文化etcを扱うことの苦悩葛藤も描いていて、興味深かった。
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