Kellie

メットガラ ドレスをまとった美術館のKellieのレビュー・感想・評価

4.0
Amazing,Andrew!

METの服飾キュレーション部門で責任者を務めたアンドリュー。彼が魂を投じ創り上げた展示会の裏側を、この映画では観ることができる。
デザイナーの表現として美術的要素を内包する服。繊細な刺繍の渦や、敷き詰められたスパンコールが一面に広がる布地は、縫い付けたひとの技術の集結であり、それはそれは美しい景色だ。オートクチュールは間違いなくアートだと思っている。ディオール、ランバン、ヴィオネ、マックイーン、マルジェラなど。これらの作品を芸術と呼ばないなら、それは新しいことを認めない排他的な思想か、大衆との距離感を気にした創り手の過剰な謙遜に思えてしまう。この美しさに素直に浸っていたいと思うのは、我儘なことだろうか。

歴代5位の入場者数を記録したという「鏡の中の中国」展。その展示内容から演出の細部に至るまで、もちろん素晴らしく、圧巻だった。そしてアンドリューの我を忘れたような仕事ぶりは、歴史的展示の続編を期待させる。5月に差し迫ったコム・デ・ギャルソン展、楽しみだ!
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