かたゆき

ダーティー・コップのかたゆきのレビュー・感想・評価

ダーティー・コップ(2016年製作の映画)
3.0
ロサンゼルス市警で働くウォーターズは、うだつの上がらない中年警察官。
ある日、彼は同僚で友人でもあるストーンという男からある相談を受ける。
麻薬密売組織の怪しい金の流れを調べてみた結果、あるホテルのレストランが保有する大きな冷蔵庫に組織の裏金が大量に隠されているのを突き止めたというのだ。
「どうだ、俺と一緒にこの金を横取りしないか」
判で押したような退屈な毎日にうんざりしていたウォーターズは、自分の人生に一発逆転を図るため渋々その計画に乗ることを決意する。
ドイツ製の高級なドリルも手に入れ、車も足のつかない拳銃も用意した二人は、その冷蔵庫の上にあるアパートに忍び込みそこの住民を縛り上げるとすぐさま計画を実行に移すのだった。
タイムリミットは夜明けまで――。
着実に金庫破りを進めていく二人だったが、次第に様々なトラブルに見舞われるようになる。
すると、ストーンは次第にその隠された狂気性を顕わにしはじめ、根が小心者のウォーターズはどんどんと彼に振り回されることに……。
果たして彼らは無事に金庫破りを成功させ大金を手にすることが出来るのか?
イライジャ・ウッドとニコラス・ケイジがそんな犯罪に手を染める警察官コンビを好演したクライム・サスペンス。

この二人の初共演?に惹かれて今回鑑賞してみました。
まあぼちぼち面白かったですかね、これ。
やぱニコラス・ケイジはとち狂ったヤバい男役がよく似合う。
対するイライジャ・ウッドも内気で神経質な小心者役がばっちり嵌まっていて、この二人の凸凹コンビぶりがなかなか楽しい。
前半のコメディタッチから一転、一気に緊迫感が増す後半もけっこう見応えありです。
特に金庫が破られたあたりからの二人の緊張感あふれる駆け引きは、主演二人の芸達者ぶりが堪能できます。
B級ながらけっこう頑張っていたんじゃないでしょうか。

ただ、惜しいのはラストの展開。
さすがにあのオチは駄目でしょう。捻りがなさ過ぎて肩透かし感が半端ないです。
物語のキーパーソンとも言うべき、あの人質となった女性の正体をうやむやのまま終わらせたのは明らかに失敗。
あの女性こそがマフィアのボスで初めから事態を何もかも操っていたみたいなオチにしていれば、もっと完成度の高いクライム・サスペンスになっていたかもしれないのにね。
残念!
かたゆき

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