ゆゆ

劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケールのゆゆのレビュー・感想・評価

1.5
現実世界を仮想世界にするオーディナルスケール、仮想世界を現実世界にするナーブギア
SAOで亡くなった人をARAIとして蘇らせようとSAOサバイバーの記憶を奪うもキリト達にその企みをぶっ壊される話。

SAOはキリトの物語であってエイジの物語ではないけど救いがなさすぎてしんどさしか残らなかった。

誰もが世界の主人公になれるわけでもないし立ち上がる強さを持っているわけでもない。死の恐怖を前に立ち上がれない人はたくさんいる。そこで立ち上がれるからこそキリトやアスナは主人公なんだろうけどそうでない人達にだって必死に生きてることには変わりない。
キリトが失ったアスナの記憶を取り戻したいと思ったようにエイジだって死なせてしまったユウナに会いたかった。その願いは同様に大切な人を愛しているということから生まれるはず。
それなのに「辛いことがあったからって過去の自分を否定するような奴に負けるわけにはいかない」ってキリトは言うけどかつて戦えなかったことを後悔して、大切なものを失って初めて立ち上がれるようになった人の思いを侮辱していいわけじゃない。辛いことがあって変わりたくて立ち上がった人にこんな台詞言ってほしくはなかった。
確かに取った手段は悪かったのかもしれないけど目の前で失った誰よりも大切な人にもう一度会えるなら会いたいと願ってしまうのが人だと思う。

立ち上がっても「主人公」によって挫かれ、思いは利用され、再び会うことは叶わないってなにこの地獄。仮にユナがARAIとして復活できていたのだとしてもエイジにはユナと過ごしたSAOの記憶が奪われていて存在しないんだからどこにも救いがなくて地獄しかない。

世界の主人公たり得る人が正義でより強い方が正義、弱さは悪というストーリーにしか見えなかった

最後の「主人公特権」のチート無双はもう乾いた笑いしか出なかった。こうやって強者によって弱者の思いは簡単に潰されてしまうんだなあって。

これを見て気持ちよく見終われるのはキリトとアスナだけを好きな人だろうなあ。
自分は強い人ではないからエイジの方に共感できてすごくしんどくなった。
ゆゆ

ゆゆ