こういった続編映画において、前作のシーンやセリフをなぞる事は、ファンを喜ばせるためにどうしてもやらざるを得ないが、一方でそれは観ている側をうんざりさせてしまう面もある。
またそれかよ、もう聞いたし、前作と一緒やん、と観客が思ってしまうといけない。いけないのだけど、そういう脚本にしてしまう、だってせっかくの続編なんだから。
その不可避な思考回路をこの映画はうまく逆手に取っている。つまり、登場人物は２０年前とやっていることが同じ、こいつらはなんら成長していない、どうしようもない連中だと、それを観客に伝える術として利用しているのである。
２０年も経って人間としてまったく成長していない映画の登場人物なんて他の映画にはいないだろう、だからこの映画でしか使えない逆説的な演出としてそれは成功している。
