2017年公開映画28本目。
Choose life.
1996年公開映画『トレインスポッティング』の続編。
前作は悪いところも自分の一部だと認め、アイデンティティの確率のための旅に出る青年の物語であった。
本作は改めて人生を輝かせるきっかけを掴もうとした結果、次の世代に託すことを選択させられる、「若さ」という武器を思い知る中年の物語である。
20年の時を経てリメイクする理由は、「託す」ではなく、「託すことを余儀なくされる」ことに説得力が生まれるからだ。
「未来を選べ」なんて言うけれど、過ぎた40年間が消えてなくなることはない。
良いところ、悪いところ、経験、知識、全て積み上げてきたものが、アイデンティティであり、それが社会の評価となる。
前作はスタイリッシュでおしゃれで若さに溢れた作品という印象だった。
本作も前作同様スタイリッシュだと感じたが、それ以上にしっかりしたストーリーに、劇中至る所で若かりし頃の疾走してた姿を思い起こすようにノスタルジーな雰囲気である。
劇中の彼らとは反対に、ダニー･ボイルが20年で積み上げてきたものを本作から感じとることができた。
本作の幕引きは彼らの新たな旅立ちである。
悪友と縁を切ることも難しいし、自分の悪いところは分かっていてもなかなか変えられない。
それでも次の世代に夢と希望を託し、彼らの過去は再びアイデンティティを形成する一部となる。
その先にあるのは、まさしく「Choose life」であった。
人生を選ぶことに、遅すぎることなんてない。
