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T2 トレインスポッティングのMrnobodyのレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
3.8
前作の20年後を文字通り20年経過した後に同じキャストで描くというコンセプトの映画
ただ前作と違い、主人公たち一味を「時代の変化に取り残された人びと」として表現する視点が強くなっており、それがこの映画に現代性と悲惨さを加えている。
古い考え方にこだわり、フットボールのヒーローはいまだにジョージ・ベスト。せっかく大金を手に入れてもやることは懐古主義的な馬鹿騒ぎ。そんな彼らとこの20年間の社会の変化を対比して配置することでより彼らの凋落の切実さが強調される。(そんな変化に順応して成功を収めているとある人物の存在もポイント)

圧巻は”choose life“のシーン。前作のオープニングにもなっている印象的なセリフが20年分のアップデートを経て登場しているのだが、そのセリフがまさに21世紀に生きる私たちの生活の痛烈な風刺になっている。まさに2010年代の映画という感じがした。
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