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インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのMasterYuのレビュー・感想・評価

3.6
人類が月に降り立った年、長い間教壇に立ってきたインディ・ジョーンズも引退を迎えた。
そんなインディの元に旧友の娘で、彼が名付け親でもあるヘレナが現れ、以前インディと彼女の父親がナチスから奪ったアンティキティラ(運命のダイヤル)の話を持ち掛けるが、同じく「運命のダイヤル」を手に入れようとしている元ナチスの科学者フォラー率いる組織に襲われ・・・。

インディ・ジョーンズ最終作。
特にオンタイムで観てきた人間にとっては、本作におけるインディと同様に自分の過去を思い返すことができるインディ・シリーズですが、ハリソン・フォードで始まり、ハリソン・フォードで終わるという奇跡を味わえただけで満足してしまった感じ。
約40年も費やしたシリーズ物で同じ俳優が演じ切ってくれたこと、それだけでグッとくるものがありました。

ジェームズ・マンゴールド監督も、シリーズに対する敬意を感じさせる作りをしていたと思いましたね。
私的には若返りCGが施されたインディのアクションが堪能できる長めのオープニングシークエンスは悪くないと思ったし、シリーズ過去作を想起させるセリフや小物、或いはキャスティングなどニヤリとさせられましたが、しかしながらやはりスピルバーグは凄かったんだなぁと思ってしまう「差」はあったかなぁ。
特に終盤にかけてはそれが顕著で、世代交代という意味を兼ねているのか、ヘレナがメインの動きで、「そうじゃないんだ、ただインディの活躍で締めてもらいたいだけなんだよ」と思ってしまった。
だって最後のインディよ。たとえコテコテな演出であっても、これまでのシリーズを引っくるめたエモーショナルな締め括り、そして爽快感を味わいたかった、ただそれだけだったのに。
結局息子マットのことなどで悲しみの中にいたインディが最後の冒険で先に目を向け直すというカタルシスは感じられずシリーズの大団円足り得なかったのは残念でした。

何はともあれ、ハリソン・フォードのインディには、長いこと楽しませてもらえたことに感謝したい。
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