モウトク

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのモウトクのレビュー・感想・評価

3.8
劇場にて吹替版で視聴。前作までの4作品はすべて視聴済み。

実にインディジョーンズだった。ただ前作品よりアクションのモッサリ感が無くなり現代風に若干スピーディになっているところに時代を感じた。お約束の展開である、「馬に乗るインディ」「敵の服を着て潜入する」「敵に捕まっては機転を利かせて逃げ出す」「虫がいっぱい」「蛇にやられかける」等々いつも通りなので、ある意味「よっ待ってました!」と安心して楽しめる。

色々とセルフオマージュを感じるシーンが有るが、今回小回りの利く子供テディと活発なパートナーのヘレナのキャラが面白い。魔宮の伝説と同じ組み合わせだが老いたインディを差し置いて縦横無尽に活躍していた。

キャラと言えば敵役を演じたマッツ・ミケルセンがかなりハマっていた。インテリらしさと狂気を持ち抜群のカリスマ性を発揮していた。特にヒトラーに取って替わろうとしていた下りが明らかになった時は思わず唸った。ラスト付近の狼狽ぶりがちょっと残念な位に格好いい悪役だったと思う。

話はいつもの展開であり中盤過ぎまでかなり冗長に感じて眠くなってしまっていた。このままだと☆3.0~3.3くらいだな~と思っていたが、眠気が吹き飛び出したのはやはり遺跡を探検し出してから。そこからのラストシーンまででかなり面白さを取り戻したと思う。もう少しコンパクトに編集して欲しかった。

そしてインディの長い長い冒険が報われるシーンは正に集大成でありかなり感動した。考古学者にとっての夢の世界にたどり着きあらゆる新鮮な体験に満ち溢れている生活を思い描き、「良かったねインディ」と迷い無く思えた。何を言われても「いや残る」と迷い無く言っていたインディを殴って無理矢理連れ戻したヘレナにかなり怒りを覚える位に、インディと心を共有出来ていた。このシーンだけでも本当に観て良かったと思う。

全5作品と映画のシリーズとしては少し多いし初期作品は確かに古臭さはあるが、シリーズ通してみてこそ楽しめる作品だと思う。正に「これは博物館に納めるべきものだ」
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