"みぞおちん中で黒い沼が脈打ってるようだ。生きてるって気がするぜ。"
るろ剣シリーズでおなじみ大友啓史監督と、神木隆之介主演のコミック原作映画。生まれや生い立ちから深い孤独を抱える、主人公桐山零の棋士としての、人間としての成長ドラマ。原作は未読ですが、自分好みのキャスト陣と評判に惹かれて。
羽海野チカ原作だけあって、名言名シーン盛りだくさんに感じた。家族愛や友人との絆、ライバルとの対峙等々…将棋オンリーの零が仲間と出会い、関わっていくことで私生活や将棋界の中に自分の居場所を見出していく。それぞれの登場人物たちが抱えるエピソードが、駆け足ではあるけどしっかり描かれていて、みんなすきになった。二階堂とのちょっと臭めな友情も、クールだけど的確なイケメン島田八段も、ゲスだけどどこか捨てきれない闇落ち義姉さんも…映画の２時間では足りない足りない。どこか淡い、人間味溢れた映画全体の雰囲気がよかったです。
そんなに期待してなかったのですが、いい意味で裏切られた映画。
