ちゃか

3月のライオン 前編のちゃかのレビュー・感想・評価

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)
3.9
「最後まで諦めないことを教えてくれる作品」

まずは、前編だけを観た上でのレビューを紹介します。

本作は、将棋をテーマにしたストーリーで、実際に将棋を打つシーンが映されているのですが、肝心の一手一手の局面自体はしっかりとは映されていません。
僕自身、将棋のルールとかはなんとなく知っていた身なので、一瞬映される局面ごとに停止したりして理解しようとしたのですが、まぁ無理でした笑
なので、もっとしっかり長く映して、もっと初心者にも分かりやすくしたほうが良いんじゃないかって思いました。
しかし、観賞後に改めて深く考えてみると、逆に一瞬しか映さないのは、将棋を知らない人にも感情移入しやすいように作ってるんじゃないかと思い、そういう理屈ならかなり良い見せ方ができてると思いました。つまり、本作は、将棋のディープな部分を見せるというよりかは、対戦中の「表情」「言動」「心境」に臨場感を持たせ、それぞれの人格の面白さを表現している作品であるということです。そういう意味ではかなり良かったと思います。

また、全体的な見せ方としては、まぁまぁって感じでした。
その理由を具体的に説明すると、、
序盤は原作を知らない人置いてけぼりってぐらいに状況を理解しずらい描写がされていて、なんかよくわからんなってなってたら、気付けば終盤あたりに感情移入しちゃって普通に泣けちゃうって感じなので、やはり「表情」「言動」「心境」から視聴者を引き込む力が本作にはあるのだと確信したからです。
細かい設定とか内容とかよくわからんまんま進むのに、最終的に感動させられるってかなりすごいことだと思います!もしくは僕が感情豊かすぎたのかな?笑


続いて、後編を見た上での総合レビュー。


本作は、前編2時間17分、後編2時間19分と、他の映画と比べてかなり尺が長いです。しかし、その長さを忘れさせるかのような見応えがかなりあります。
前編、後編両方ともそれぞれに感動のクライマックス的なシーンは盛り込まれていて、非常に構成バランスが素晴らしい作品です。
前編で原作に対してのある程度の理解をさせた上で面白くし、後編ではそれを踏まえて更なる面白い展開を生んでいくといった作り方になっています。

本作の後編の終盤は、調べたところによると原作とは違うオリジナルストーリーになっているらしいのですが、上手くストーリーを完結できている感じはありました。恐らく本作は、原作を知らない人、将棋を知らない人含むたくさんの人に楽しんでもらえるように作られた映画だと思います。実際に僕自身、原作は知らなかったですし、将棋もにわか程度でしたが、普通に楽しめました。本作は、将棋の映画として楽しむというよりかは、人情味溢れる映画として楽しめるものだと思います。「最後まで諦めない」ってことの大事さもしっかり視聴者に伝えようとしてる感じもありましたし。



とりあえず、後編も見るべき作品です!
というか前編見た上での後編のほうが面白いかも!
ちゃか

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