もちもちのネコ

3月のライオン 後編のもちもちのネコのレビュー・感想・評価

3月のライオン 後編(2017年製作の映画)
4.2
お見事。キャストはみんなはまってるし、あまりにもぐさぐさと心に刺さる言葉ばかり。「不思議と人は時間が経ってしまってから、思わぬ角度から救われることがある」
もがき続けて自分が誰なのか見つけていく桐山。孤独と悔しさの分厚い闇に包まれて見えなかった、周りの人に生かされていたことに気づいた時には走り出さずにはいられない。人と繋がるために私たちは生きている。汗だくになって走る桐山と再び微笑んだ姉妹を見てそう思った。

「負けました」桐山が初めて宗谷に負けたとき、人ってあんな声出せたんだと思った。途方に暮れたようでいて夢を見たような静かな声。

そして清原果耶さんの懸命な演技に拍手を送りたい。まだ中学生にして全身全霊でお芝居に挑む姿に涙。彼女もまた、模索しているんだろう。本当にいい時期に彼女のひなちゃんを撮ったと思う。