イタリア映画祭にて。
アルバニアの山村から、終生処女を誓ったハナが、自由を求めて姉の住むイタリアに移住する。
アルバニアという国をあまり知らなかったので、ウィキペディアを軽く読む。
近現代の波乱万丈ぶりが伺える。
ソ連やユーゴとの対立、国家レベルのネズミ講、経済への大打撃、鎖国と、とても一筋縄な国ではないようだ。
アルバニアの田舎では、宣誓処女(ブルネシャ)の誓いの代わりに男性と同じ権利を手に入れる、つまり男性として生きる風習が現代でも僅かながらあるようだ。
マークとハナ、男と女、姉と妹、過去と未来という対比と、マーク/ハナの間で揺れる内面/外面の表現がとても良かった。
プールのシンクロのシーンが「調和」の象徴であり、それに結びつくラストも良い。
主演のアルバ・ロルヴァケルの体づくりや演技が素晴らしかった。
ただ前半は少しウトウトしてしまったが、映画祭1本目から良作だった。
気になったのはアルバニアの葬式のシーン。
死者に向かって参列者が何かを叫んでいる、吐き捨てているようにも見えた。
あれはどういった風習なのだろう。