序盤で部分的に結末を予想できたけど、実際はもう2クセくらいある感じ。1度観て解釈できた部分だけでも十分骨太なのに、レビューブログなどを読んでいると気づけなかった部分も見えて(解釈の余地の範疇かもしれないが)、見応えのある作品だった。
生まれ育った「家庭」が持つ意味合いは想像以上に大きく、人格形成のみならず人間関係においても、呪縛として働きうると思うと恐ろしい。児童虐待や性暴力に対する問題提起的な意味合いなのだろうが、かなりの異常性でもって表現されている。
被害者の大学生活における周りの人物は、倫理観に欠けるような連中ばかりに思えて妙なリアリティーがある。この表現は「悪人」(2010)にも通ずるところがあるかな。