クマヒロ

愚行録のクマヒロのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
4.8
冒頭のバスのシーンと最後のバスのシーンが見事すぎてそこがあることで中盤の愚行オムニバス的な展開も非常に厚みのあるものになっており、素晴らしい作品でした。

日常生活の中にある愚行の数々、都会の居心地の悪さ、ステータスを重視する社会の居心地の悪さ、人間ならではの気持ち悪さを細かく描いていました。
生きていく中で、なかなか人に話せないモヤモヤを煮詰めたような作品で、改めて自分と向き合えるような時間にもなり特別な作品になりました。

作品の構成もさることながら、俳優の魅力を引き出すのが本当に上手いのが石川慶監督だと、さらに確信を強めました。本作においてはどの役者もどこにでもいる人に見えながら、その役柄それぞれのうちに秘めたクズっぷりが暴露されており、役者さんが活きる作品だったと思います。
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