思いつく限りにこねくり回したような
映画。
愚行録は誰の愚かさかと思いながら見ると、誰もが愚かさを抱えている。
正しさも無く、
嘘と真の境も無く、
おそらく言葉の中にまだ嘘もあるのだろう。
この映画の現実感は小出恵介。
入れといて良かったな。
いっきに演技に重みが増す。
やっぱり札付きのヤレる人の演技は違うね。
満島ひかりの狂い方も底が見えない。
この人はゆくゆくは樹木希林みたいな
演技に住む人になるのかな。
久々にねっとりとした、
「言わなくても分かるよな?」
と何の説明もしない
誰の子かと分かると、その思い入れの意味も分かる。
粘度のある邦画らしい邦画でした。